佐藤洋子の開運カバラ生活

　佳川奈未（よしかわなみ）氏という、夢を与える作家さんの講演を聴きに、神戸まで行った私ですが、かのベストセラー作家氏のお説に、全面的に賛成という訳ではありません。


　そのひとつに、「富貴の気」についての考え方があります。



　佳川奈未氏は、「富貴の気」の無いところやものに近付いてはいけないと、繰り返し繰り返し、ご著書で述べられています。



　たとえば、高級ブランドショップはＯＫで、100円均一ショップはＮＧになる訳です。



　歴史を考えるにも、踏みにじられる側の方々の血の滲（にじ）む思いに、考えがいたってしまう私には、その考えは、とても危険なものに思えてなりません。



　命が尽きた後まで持っていけない、「富（お金）」を、過大に考え、少し羽振りの悪い、けれど、一生懸命生きている人や店を、忌み嫌うという考えを、肯定して良いものでしょうか？



　今、私の家の玄関に飾ってある薔薇の花は、静岡伊勢丹で、求めたものですが、本当は、青葉公園のところで、乳母車のようなものに、リーズナブルな花をいっぱいにして、夕方になると、佇（たたず）んでくれていた、花売りおじさんから、購入させていただきたかったのでした。



　その、おじさん（人生の大先輩を、こう呼ばせていただくのは、親しみを込めてのこととご理解ください）は、お世辞にも、オシャレとは言えない服装で、愛想もよくありません。でも、お花の専門家で、いつも、よくもつ花を私に教えて下さったのでした。4種類の花束を1000円で求めることもできた、大変、お客様思いのお花屋さんなのでした。



　その、青葉公園の花売りおじさんが、この頃、立っていてくれないのが、私は心配でなりません。


　どなたか、青葉公園の花売りおじさんの消息（しょうそく）をご存じの方はいらっしゃらないでしょうか？



　魂の中に「富貴の気」を閉じ込め、「実直」という衣をまとった、あの、青葉公園の花売りおじさんが、元気でいてくださいますように。